ストリートダンスにはたくさんのジャンルがあり、そのジャンルによって時代背景が異なります。発祥した地域の文化を知ることで、そのジャンルに対し、より理解が深まり、また違った観点からダンスを見て感じて、踊ることが出来るのはないのでしょうか?
それでは各ジャンルについてご紹介していきたいと思います☆
■HIPHOPダンス(ヒップホップ)
HIPHOPと聞くと、「1番有名なジャンル」「ノリながらステップ踏むジャンル」等とイメージする方が多いと思いますが、実はジャンル分けをすると1番難しいジャンルになります。HIPHOPダンスと聞いてパッと思いつくダンスとは、1980年代半ば頃からランニングマンとかロジャーラビット、フィラなどのステップのダンスを指します。アメリカの東でも西でも、その他の地域でもいろんなステップが生まれてきていました。これが最近良く見るHIPHOPダンスの始まりです。そこから更にHIPHOPは進化をしていき現在ではGirl's HIPHOPやR&B HIPHOPというジャンルが生まれました。これらは俗にニュースクールと呼ばれています。
1-1 HIPHOPダンス
基本的に、アップとダウンのリズムを取りながら様々なステップを踏み踊るジャンルです。これといった決まった形は無く、身体のあらゆるパーツを使って音楽に乗って自由に踊ることが特徴で、ソウルダンスやジャズなど、他ジャンルのダンス要素を取り入れ、時代によって新しいスタイルが生まれ、進化を続けています。有名なステップとしては【ランニングマン】や【チャールストン】【シーウォーク】【クラブステップ】等があります。
2-2 R&B HIPHOPダンス
R&B HIPHOPとは比較的新しいHIPHOPダンスの1つです。HIPHOPほど激しくなく、シンプルな動きをかっこよく、時にはノリが止まることもあります。歌詞の意味や感情を表現したりと、ダンサーそれぞれによって表現の仕方が違うので、踊り方も多種多様です。また使用する曲も、アップテンポからバラードまで幅広く、海外アーティストでいうとUsherやBruno Mars、Ariana Grandeなどが当てはまるので、これらのアーティストが好きな方にオススメのジャンルです。
2-3 Girl's HIPHOPダンス
Girl'sHIPHOPとはHIPHOPダンスに女性らしい動きを取り入れたジャンルです。HIPHOPのノリの中に、女性的なセクシーな動き、キュートな動きを取り入れ、胸や腰など、女らしさが強調される身体のパーツを使った動きが特徴的なスタイルです。アーティストでいうと安室奈美恵やBoa、E-Girls、海外アーティストではBeyonce等が当てはまります。
■LOCK(ロック)
ロック (Lock) は1970年代に誕生したストリートダンスで、名前のロック (Lock) とは錠を意味し、激しい動きから突然静止しポーズを取る(ロックする)スタイルが特徴です。ロックダンスを考案したのはアメリカ人のDon Campbell(ドン・キャンベル)で、1969年、L.A.で、彼は当時流行していたダンス(Funky Chicken)を滑らかに行う事ができず、その代わりにロック(静止する)スタイルを生み出しました。また、ロックダンスの代表的な動きには観客に向かって指をさす(ポイント)があるが、これは彼が観客から笑われたため、指をさしたのが始まりです。
そして、Don Campbellのチームである"オリジナルロッカーズ"が、TV番組に出演するなどして、このダンスを普遍的なものとしました。このチームには映画に出演したシャバドゥーや、日本にロックダンスを広めた重要人物のひとりであるTONY GOGOなどが在籍。ちなみに、TONY GOGOは現在も日本在住であり、2006年 のUK B-BOY CHAMPIONSHIPSのLOCKIN'部門で優勝を果たした2人組、GOGO BROTHERSの実父としても知られています。
■BREAK(ブレイク)
BREAK DANCEはとても歴史の古いジャンルで、HIPHOPという文化が生まれたと共に生まれたジャンルです。HIPHOPは、音楽やダンスだけに該当するものではありません。「DJ」「MC」「BREAK DANCE」「グラフィティ」の4つの要素からなる文化であり、その総称です。HIPHOPの発祥地は、ニューヨークのサウスブロンクス。ここでHIPHOPが生まれた発端は、生みの親と言われているクール・ハークというカリスマDJが、サウスブロンクスのマンションで催したパーティーにあるとされています。後に家からターンテーブルを持ち出して、ストリートや公園で展開。するとたくさんの若者が彼のDJプレイを観に集まったそうです。こうしてDJと、DJがかける音楽で踊るBREAKダンサー、ラップするMC、そしてグラフィティの要素が加わり、HIPHOPという文化が誕生しました。
BREAK DANCEは1970年代にニューヨークのサウスブロンクス地区のアフリカ系アメリカ人やラテンアメリカ人の若者達によって発展したストリートダンスのスタイルです。また、アフリカ・バンバータの提案でギャングが抗争をまとめる為に銃撃戦の代わりにブレイクダンスのバトルを用い、発展に繋がったと言われています。
後に、ニューヨークのロックステディークルー(Rock Steady Crew)などのクルー同士による大規模な抗争がメディアの関心を受け、これがダンスチームの急速な成長へと繋がりました。ディスコクラブやテレビ番組、公のイベントなどにもブレイクダンサーは進出していきました。現在ではBattle of the YearやUK B-Boy Championships、Freestyle Session等の世界大会も行われるようになっています。
■JAZZ(ジャズ)
JAZZ とは「様々なダンスのベースとなっているダンス」と言われます。「身体を引き上げること」や「身体の軸」を意識したバレエの動きに、ヒップホップの持つ自由な要素を取り入れたダンスがジャズダンス、とも言われます。
柔軟性・筋力・リズム感・表現力を存分に味わうことのできるジャンルで、宝塚や劇団四季、などもJAZZに含まれます。定義はありませんが、私たちが目にするダンスのほとんどのダンスがJAZZの要素を含んでいます。
4-1 Slow JAZZ
スロージャズ(通称スロー)は、バレエテクニックをもとに、曲の歌詞に合わせて、身体を大きく使った振りを踊るジャンルです。曲はアップテンポなものからバラードまで幅広く使います。
4-2 Theater JAZZ
ブロードウェイミュージカルなどでもお馴染みなこのスタイル。バレエから派生した踊りと思っている方もいるようですが厳密にはジャズがバレエの要素を取り込んだスタイルです。一般的にはレオタードで踊られ日本には1980年代頃に伝わってきたと言われるスタイルだそうです。
4-3 JAZZ HIPHOP
JAZZの踊りにHIPHOPの踊りも取り入れた現代スタイルです。「バレエ」を表現するバランス、柔軟性、ターン、ジャンプ、芸術的表現力、「ヒップホップ」リズム感、スピード感、テンポの良さを混合し幅広い動きを取り入れたエネルギッシュなダンスです。
4-4 JAZZ FUNK
JAZZ FUNKはまだ日本での歴史は浅く、これといった決まったムーブや振りはありません。VOGUEINGなどの要素を取り入れるダンサーも多く、より自分を表現するのにピッタリのジャンルです。
次回はHOUSEやSOULを紹介します。